インフラエンジニアの一つにクラウドエンジニアがあります。コロナ禍の生活において、オンラインビデオやオンライン学習を行う機会が増えましたよね。普段の生活においてもオンライン〇〇が増えたのも縁の下の力持ち存在のクラウドエンジニアがいてこそです。今の生活に非常に密着しているクラウドエンジニアに興味を持った方も多いのではないでしょうか?
本記事では、クラウドエンジニアとはどんな仕事を行っているのか。今後、仕事として需要が高く将来性があるのかを紹介していきます。
需要が高い仕事は給与の面で優遇があり、仕事の就きやすさにメリットがあるのは間違いないです。
・クラウドエンジニアとは?
・クラウドエンジニアの仕事内容や将来性とは?
クラウドエンジニアとは
クラウドエンジニアとは、コンピューターシステムをクラウド(インターネット上)に構築し、運用する専門家のことです。
インターネットを利用して、たくさんのデータやアプリケーションを保存・処理するための仕組みを作ったり、その仕組みを守ったりする人たちのことを指します。
例えば、あなたがスマートフォンでアプリを利用している時、そのアプリはクラウド上で動いていることがあります。そのアプリがスムーズに動くようにするために、クラウドエンジニアが仕事をしているのです。
身近に使われているものが多いと仕事のやりがいにも繋がるね
インフラエンジニアの他のエンジニアについての概要は、以下をご覧ください。
クラウドエンジニアの仕事内容とは
クラウドエンジニアの仕事は大きく大きく分けて、「設計」、「構築」、「運用・保守」の工程に分かれている。
設計
クラウド上でシステムを構築するための計画のことです。
例えば、企業がウェブサイトを構築する場合、クラウドエンジニアはどのようなクラウドサービスを利用するか、どのようなネットワーク構成を取るか、どのようなデータベースを利用するか、どのようなセキュリティ対策をするかなどを決めます。
その上で、それらのサービスをどのように組み合わせてシステムを構築するか、どのようなアプリケーションを作成するか、どのようなプログラム言語を使用するかなどを設計します。
設計がしっかりしていれば、システムの性能や拡張性、保守性が高くなります。
構築
クラウドプラットフォーム上にシステムやアプリケーションを構築することです。
設計に基づいたプランに従って、仮想的なサーバーやストレージなどのコンピューターのインフラを構築する役割を持っています。
構築には、ネットワーク機器の設定、サーバーやストレージのセットアップ、データベースの構築、セキュリティ対策の実施があります。また、構築したシステムを自動的に管理するためのツールやシステムも開発することもあります。
建物の土台や構造体を作ることに近く、しっかりとした土台や構造体を作ることが、システム全体の安定性や信頼性につながります。
運用・保守
クラウド環境内でシステムを稼働し続けるための必要な修正やメンテナンスを行うことです
例えば、データバックアップやセキュリティパッチの適用などが含まれます。保守がしっかり行われないと、システムに問題が発生することがあります。
また、クラウドプロバイダが提供する機能やサービスを最大限に活用し、コスト削減や自動化を目的とした運用設計が求められます。
クラウドシステムが正常に動作し続け、利用者にとって快適な環境を提供するために非常に重要な役割を果たしています。
主なクラウドサービス
クラウドサービスとは
インターネットを通じて、データやソフトウェア、アプリケーションなどの情報技術資源を提供するサービスのことです。
具体的には、データストレージ、アプリケーション開発、仮想サーバー、データベース、ネットワーク、セキュリティなどの分野でクラウドサービスが提供されています。
クラウドサービスを利用するメリット
- 情報技術資源を手軽に利用:インターネットに接続するだけのお手軽さ。
- コスト削減:ハードウェアやソフトウェア、人件費などのコストを削減できる。
- 柔軟性の向上:必要に応じて必要なリソースを拡張したり、縮小したりすることができる。
- セキュリティの向上:高いレベルのセキュリティが提供される。
- 運用の簡素化:ハードウェアやソフトウェアの管理や保守作業を外部に委託することができる。
以下は全世界におけるクラウドインフラのシェア率を示します。
上位3つは「amazon」、「Microsoft」、「Google」がシェアを誇っています。
Canalys,2022年第4四半期時点のグローバルにおけるクラウドインフラのシェア
https://www.srgresearch.com/articles/as-quarterly-cloud-spending-jumps-to-over-50b-microsoft-looms-larger-in-amazons-rear-mirror
AWS
- AWSとは、「Amazon Web Services」の略。Amazonが提供しているクラウドサービス。
- 世界シェアは32%(2022年第4四半期時点)
- 2006年に公開された最初のクラウドプラットフォームの1つで、当時は「EC2」と「S3」の2つの主要なサービスを提供していました。
- Netflix、Airbnb、Slack、Twitchなどの企業もAWSを利用しています。
特徴・強み
1.豊富なサービスラインナップ
コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、アプリケーションサービスなど、200以上のサービスを提供しています。
2.大規模なグローバルインフラストラクチャー
全世界に24のリージョンと82のアベイラビリティーゾーンを持ち、お客様のニーズに合わせて、ユーザー数、処理量、ストレージ容量などを柔軟に調整することができます。
3.セキュリティ
世界中で使用される多くの企業や機関での採用実績があり、高いセキュリティレベルを維持しています。また、多層のセキュリティ対策やデータ暗号化など、多数のセキュリティ機能を提供しています。
弱み
1.初期設定が複雑
多数のサービスを提供しているため、初期設定が複雑であることがあります。そのため、AWSの利用には、クラウドエンジニアなどの専門的な知識が必要となります。
2.コストが高い
一般的なホスティングサービスなどと比較して、コストが高いとされています。ただし、利用量に合わせて支払いを行うことができるなど、柔軟な価格設定も行われています。
シェアNo1の一番の理由は200以上のサービスがあること。
カスタマイズすれば何でもできるというメリットが大きい。
その分クラウドエンジニアの技術が問われるよ。
Azure
- Azure(アジュール)とは、Microsoftが提供するクラウドサービス。
- 世界シェアは21%(2022年第4四半期時点)
- 仮想マシンやストレージ、データベース、Webアプリケーション、IoTなどのサービスがあります。
- 2010年にリリースされた当初は「Windows Azure」という名称でしたが、2014年に現在の「Microsoft Azure」に改称されました。
- BMW、Adobe Creative Cloud、GE Healthcare、UPSなどの企業もAzureを利用しています。
特徴・強み
1.ハイブリッドクラウド対応
オンプレミスのデータセンターとの連携が容易であり、ハイブリッドクラウド環境にも対応しています。そのため、既存のIT環境とクラウド環境を統合して利用できるため、柔軟かつ効率的なシステム運用が可能です。
※オンプレミス(on-premises)とは、ソフトウェア・ハードウェアを自社で保有・管理しシステムを自前で構築する運用方法。
2.広範な機能提供
仮想マシンやWebアプリケーション、データストレージ、人工知能(AI)やIoTなど、幅広い機能を提供しています。また、DevOpsに必要なツールやサービスも提供されているため、開発から運用まで一貫してサポートされます。
3.オープンソース技術の採用
オープンソース技術にも対応しており、LinuxやDocker、Kubernetesなどのサポートがあります。そのため、既存の技術環境を活かしながら、クラウドへの移行がしやすくなっています。
弱み
1.初期設定が複雑
Azureは、機能が多彩であるため、初期設定が複雑になりがちです。そのため、専門知識を持つエンジニアが必要となります。
2.日本語ドキュメントの不足
Azureの日本語ドキュメントは英語版に比べると不十分であり、導入や利用時に調べる際には注意が必要です。
オンプレミスとクラウドのハイブリッドが強みのため、ハイブリッド運用したいときは、有力候補となるね。
GCP
- GCPとは、「Google Cloud Platform」の略。Googleが提供しているクラウドサービス。
- 世界シェアは10%(2022年第4四半期時点)
- データ分析、機械学習、ストレージ、データベース、コンピューティング、ネットワーキング、セキュリティなどのサービスが提供されています。
- Spotify、Niantic、Coca-Cola、Snapchatなどの企業もGCPを利用しています。
特徴・強み
1.AIやビッグデータ分析に強い
AIや機械学習、ビッグデータ分析などの分野での技術力が高く、GCPでもこれらの分野に関するサービスを提供しています。
2.フレキシブルなプラットフォーム
仮想マシンからコンテナ、サーバーレス環境まで、様々なプラットフォームをサポートしており、幅広い用途に対応できます。
3.比較的低価格
従量課金制のサービスのため、一定の使用量までは無料で使用できる。
弱み
1.マーケットシェアの低さ
他サービスと比べると、まだ市場シェアが低いため、サポートやコミュニティの面で劣ることがあります。
2.利用者層の限定性
GCPは、主に技術的に高度な企業や個人ユーザーをターゲットにしており、初心者向けの教育やツールが不足しているという声もあります。
AIや機械学習に特化したクラウドサービスを利用する際に特におすすめ。
クラウドエンジニアの仕事に「将来性」はあるか ⇒ 高いと考える!
クラウドエンジニアの将来性は非常に高いと考えます。
以下に理由を4つ紹介します。
クラウドの市場規模 ⇒ 世界、日本とも増加傾向
世界のパブリッククラウドサービス市場
世界のパブリッククラウドサービス市場は2020年は35兆315億円(前年比27.9%)となっている。特にPaaS市場が成長しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた企業活動で重要や役割を果たしたと考えられます。
2021年上期の上位5社は(Microsoft、Amazon、IBM、Saledforse、Google)が全体の48.1%を占めており、寡占化が進んでいる。
世界のパブリッククラウドサービス市場規模(売上高)の推移及び予測
総務省,「令和4年情報通信白書」|https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/pdf/n3600000.pdf
日本のパブリッククラウドサービス市場
日本のパブリッククラウドサービス市場は2021年に1兆5879億円(前年比28.5%)となっている。2021年から2026年までの成長率は平均18%を超えるという調査結果がでています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機としたオフィスの移転・縮小に伴うクラウドへの移行やDX(デジタル・トランスフォーメーション)、データ駆動型ビジネスを進めるためにクラウドを活用したICT基盤の強化が進むと予想できます。
国内パブリッククラウドサービス市場 売上額予測、2021年~2026年
2021年~2026年の年間平均成長率は18.8%で推移し、2026年の市場規模は2021年比約2.4倍の3兆7586億円になるとIDCは予測しています。
IDC Japan,国内パブリッククラウドサービス市場 売上額予測、2021年~2026年|https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ48986422
クラウドサービス導入企業 ⇒ 増加傾向
クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は68.7%であり、クラウドサービスを導入する企業は毎年増えています。2016年からみると4年で約46%増であり、今後も増えることが見込まれます。そのため、クラウドエンジニアの需要も高まることが予想されます。
クラウドサービスの利用状況
総務省,「令和3年情報通信白書」|https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/n4200000.pdf
クラウドサービスの効果については、「非常に効果があった」又は「ある程度効果があった」と回答した企業の割合は87.1%と多くの企業で効果があったと実感している。利用者の多くが効果を実感しているため、より多くのクラウドサービスを導入する機会があると思われる。
クラウドサービスの効果
総務省,「令和3年情報通信白書」|https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/n4200000.pdf
テクノロジーの進歩 ⇒ 日本の導入企業は伸びしろが大きい
近年の経済成長の大きな柱は米国の情報技術セクターの伸びでした。
今後もAIやIoT、ビッグデータなど、クラウドサービスに関連する新技術も次々に生み出される予定となっています。新しいテクノロジーは、企業の成長に必要不可欠なものになり、クラウドサービスの利用者増加が見込まれることから、クラウドエンジニアの需要も高まることが予想されます。
デジタルデータの収集・解析等のため、IoTやAI等のシステム・サービスを導入している企業の割合は12.4%と、導入予定の企業を含めると約2割程度しかないため、まだまだ伸びしろが大きい。
IoT・AI等のシステム・サービスの導入状況
総務省,「令和3年情報通信白書」|https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/n4200000.pdf
利用者の負担 ⇒ 抑えられる
従来はオンプレミスによって管理していましたが、クラウドサービスに完全または一部移行する会社が増えてきています。クラウドサービスを利用することで会社にとっては、以下の削減、節約につながります。
1.サーバーの購入やメンテナンス費用の削減
サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラストラクチャーを提供しているため、利用者は自らこれらを購入する必要がありません。また、クラウドサービスプロバイダーがメンテナンスを行うため、利用者は自社でのメンテナンス費用を削減できます。
2.ソフトウェアのライセンス費用の削減
ソフトウェアのライセンス費用が利用者にかかることが少なくなります。
3.ストレージスペースの節約
必要な分だけストレージスペースを利用できるため、利用者は不必要なストレージスペースを購入する必要がありません。また、利用者が必要な分だけストレージスペースを利用するため、ストレージスペースの節約が可能となります。
4.セキュリティの強化
セキュリティ対策に多大な費用をかけているため、利用者はセキュリティ面での負担を軽減できます。
会社にとって従業員の負担にならない費用削減はメリット大。
時代は常に発明され続けているから、使いこなすことが肝心だね。
まとめ
クラウドエンジニアの仕事内容やサービスを基に将来性があるかを紹介しました。
テクノロジーの進歩とともにクラウドサービスの利用が増加や、クラウドへの移行が進んでいることで、今後もクラウドサービス市場の拡大が予想されるため、クラウドエンジニアが活躍する環境への需要は高まっています。
需要が高い仕事に就くことで高収入や安定性だけでなく、社会的評価や自分自身のキャリアの発展にとって有益につながる可能性が高いためです。
是非、インフラエンジニアに興味があるという方は私と一緒に勉強していきましょう。
本記事のまとめ。
- クラウドエンジニアとは、コンピューターシステムをクラウド(インターネット上)に構築し、運用する専門家
- クラウドエンジニアの仕事は大きく大きく分けて、「設計」、「構築」、「運用・保守」
- 今後もテクノロジーの進歩により世界・日本のパブリッククラウドサービス市場の拡大が予想されることからクラウドエンジニアの将来性はある。
以上です。
今日も一歩前進。明日も進み続けよう!
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